Goppaにより提案された代数幾何符号は, 文字どおり代数幾何を用いて定義されているので代数幾何に馴染みの無い人にはとっつきにくい分野であった. 本ホームページではFeng-Rao復号アルゴリズム, 改良代数幾何符号, Cab曲線を含む代数幾何符号の主要な成果を, 線型代数と初等環論を用いて, 証明をすべてつけながらごまかし無しに11ページ程度で解説した小冊子を配布している. 必要な前提知識は線型代数, 線型符号の初歩, 初等環論だけで, これらを既に知っている人は数日で代数幾何符号を理解できると思う.
内容は第22回情報理論とその応用シンポジウムの予稿集に掲載されているものとほぼ同じだが, 予稿集の原稿にあるFeng-Rao復号アルゴリズムの間違いを修正している.

1999年6月に初版をこのホームページに置いたが, 1999年10月に復号アルゴリズムのわかりにくい部分を修正し, 代数幾何的構成法で得られる符号のパラメータを明記した版を置いた. 1999年12月に大阪大学の池上さんからFeng-Rao復号アルゴリズムの記述が間違っていることを指摘されたので, 修正した.
なお代数幾何符号を最初に初等代数だけで解説したのは以下の文献で, 私の小冊子もこの教科書を参考にしている.
T. Hoeholdt, J.H. van Lint, and R. Pellikaan, "Algebraic geometry codes," in: Handbook of Coding Theory, V.S. Pless and W.C. Huffman eds., Elsevier, 1998.
この文献はPellikaan教授のホームページからダウンロードすることができる.
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